神前式とは?挙式の流れや衣装について解説!

目次
結婚式を挙げる際に、多くの方が頭を悩ませるのが「どんな挙式をすべきか」です。
挙式のスタイルはひとつではありません。
「光の差し込む海辺の教会でウィディングドレスを着たい」
「派手な式は苦手だから、大切な家族と友人だけを集めて食事会をしたい」
そんなはっきりした要望がない場合、迷ってしまうのは当然です。
もし、キリスト教式の結婚式や人前式がしっくりこない場合は、神前式を選んでみましょう。
日本古来の奥ゆかしい美しさを感じられる式を実現できますよ。
今回は、神前式の基本や挙式の流れ、神前式の衣装について解説いたします。
神前式は神社・神殿で行う由緒正しい和風の挙式スタイル
神前式とは、日本の伝統的な挙式スタイルです。神社や神殿で規定の儀式を行うことで、神様やご来場いただいた両家の関係者に結婚の報告をします。
*由緒正しい挙式の方法なので作法が決まっている
*白無垢や羽織袴などの和装で行う
*結婚するお互いだけでなく、両家の関係も大切にしたい
*洋風の結婚式よりも和風の挙式スタイルのほうが好み
といった方は、ぜひ神前式を検討してみましょう。
神前式の流れ:参進の儀から退場まで
神前式の一般的な進行手順は、以下のとおりです。
*1. 参進の儀(さんしんのぎ)
*2. 修祓の儀(しゅばつのぎ)
*3. 祝詞奏上(のりとそうじょう)
*4. 三献の儀(さんこんのぎ)=三三九度
*5. 誓詞奏上(せいしそうじょう)
*6. 玉串奉奠(たまぐしほうてん)
*7. 指輪の交換
*8. 神楽奉納(かぐらほうのう)
*9. 親族杯の儀
*10. 斎主挨拶
*11. 退場
会場によって指輪交換のタイミングが変わることもありますが、神前式の進行が大きく変わることはありません。
1. 花嫁行列とも呼ばれる参進の儀
神前式を取り仕切る神職や巫女に先導してもらい、式に参加する新郎新婦や両家の家族が会場である本殿まで移動するという儀式です。
通称、「花嫁行列」とも呼ばれます。非常に厳かで印象的な儀式なので、神前式という言葉を聞いて参進の儀をイメージする人も少なくありません。
2. 参列者のけがれを祓う修祓の儀
無事、参進の儀が終わったら、会場入りして着座します。
神殿や神社の本殿で最初に行うのが、神職によってけがれを祓ってもらう修祓の儀です。
3. 神様への結婚の報告となる祝詞奏上
参列者のけがれを祓い終わったら、祝詞をあげてもらいます。
文字のとおり、二人が結婚することを神様へ報告すると同時に、神様への感謝や二人の幸せを祈願するという意味合いもある儀式です。
4. お神酒を口にする三献の儀=三三九度
夫婦固めの杯や三三九度の盃といった名称で呼ばれることもあります。三献の儀は、大中小と大きさの違う3つの杯にお神酒を満たして、新郎新婦が口をつけるという儀式です。
日本では、古くからお酒には悪いものを寄せ付けないようにする魔除けの力があるとされていました。
サイズの異なる杯には、それぞれ「二人が巡り合ったことへの感謝」「二人で力を合わせて生きていけるようにという願い」
「将来に不安がなく子孫繁栄する」といった意味合いが込められており、お神酒を口にすることで夫婦の契りを交わします。
なお、杯に注がれたお酒を飲み干す必要はありません。体質的にお酒を飲めない人や、お酒が苦手な方は、杯に口をつけて飲むふりをするだけでも十分です。
5. 誓詞奏上
いわゆる、結婚式における誓いの言葉のことを指します。神職ではなく、新郎新婦が夫婦になるための感謝を読みあげるという流れです。
6. 玉串を神様へお供えする玉串奉奠
玉串とは、榊という木の枝と、紙で作られた紙垂(しで)、麻などを固定したもので、この玉串を神様へお供えします。
神道では、結婚式だけでなく地鎮祭や安産祈願など、幅広い儀式で登場するアイテムです。
玉串の受け取り方やお供えの作法などは、事前に神職などから指導してもらえるので、神職の方の言葉に従いましょう。
7. タイミングは自由!指輪の交換
結婚式では定番の指輪交換は、本来神前式に存在しない儀式です。しかし、現代風にアレンジする、夫婦のための演出という意味で、
神前式でも指輪の交換を行います。元々神前式にはなかった手順なので、ある程度順番を入れ替えることも可能です。
8. 新郎新婦の門出を祝う神楽奉納
伝統的な雅楽の音色に合わせて、巫女が舞を奉納してくれます。
巫女の舞は神様に対する捧げものでもあり、結婚する二人の門出を祝う祈願でもあるのが特徴です。
日常的に目にする機会の少ないものですし、舞の動きは非常に優美なので、参列者ともども舞を楽しむとよいでしょう。
9. 親族杯の儀
元々、日本における結婚は、個人よりも「家と家」の結びつきを重視する儀式でした。
そのため、神前式の進行ではお互いの親族が杯に注がれたお神酒を飲むという手順も存在します。
10. 神前式のしめの挨拶である斎主挨拶
斎主挨拶は、神前式が無事に終わったことを神様へ報告する儀式です。
斎主、つまり神職の方が言葉を伝えるだけなので、新郎新婦がなにかする必要はありません。
11. 必要に応じて披露宴会場へ移動しよう!退場
参進の儀から斎主挨拶まで、一連の流れが終わったら後は退出するだけです。
会場を後にし、披露宴会場などへ移動しましょう。神社によっては、近くのホテルと提携しており、
ホテルの宴会場をレンタルできる場合もあります。
新郎新婦の衣装:白無垢・色打掛など
神前式を選ぶ理由として和服を着たいからという理由の花嫁も多いかもしれません。
新婦の和装は、白無垢が多いものの、色打ち掛けや黒引き振り袖など最近は自由度が高くなっております。
また、神前式そのものが和風の式なので、新郎新婦と新郎新婦の両親は和装を選ぶ必要があります。
〇神前式における新郎新婦の一般的な衣装
*新婦:白無垢・色打掛・引振袖
*新郎:紋付袴
神前式に関するよくある質問
- 神前式の費用はどのくらいですか?
- 平均で30~35万ほどです。挙式の場所やプランによって10万円~40万円以上という場合もあります。
- 神前式の場合は両親も必ず和装にするべきでしょうか?
- 和装がベストですが、格式高い洋装でも良いとされています。格式高い洋装とは、父親はモーニングコート、母親は黒のアフタヌーンドレスです。両家で相談の上、和装でも洋装でも格を合わせるように注意しましょう。
- 神前式の衣装はどんなものがありますか?
- 白無垢、色打掛、引振袖があります。格式高い白無垢は伝統的な神前式によく合います。色打掛は白無垢と同格の礼装で写真映えするカラーが人気です。引振袖はすっきりしたシルエットと華やかさを同時に演出できるところが魅力です。